氷雨水葵

アンフレンデッドの氷雨水葵のレビュー・感想・評価

アンフレンデッド(2015年製作の映画)
1.5
2023年62本目

お静かに!

◆あらすじ
恥ずかしい動画をSNS上にアップされ、それを苦に自殺してしまったローラの死から1年後。

ローラの友人ブレアと恋人のミッチがSkypeで会話していると、着信に応答してもいないのに友人たち3人と勝手に繋がってしまう。

しかも、その中には見知らぬアカウントが存在していて―――。

◆感想
プロデューサーにジェイソン・ブラムがいるから、と鑑賞しましたが「なんだこれ・・・(悪い意味で)」という感想しか出てこない。こういう、PC画面上でストーリーが進行する作品だと『ズーム/見えない目撃者』があるけれど、まだあの作品のほうが面白かった印象。
というのも、序盤から終盤にかけてずっと内輪揉めネタばかりで、共感も同情の余地もなく常にイライラする展開が続く。加えて、みんながみんな喚き散らしていて、とにかくうるさい。ラストに関しても、ローラによる復讐エンドにしては粗雑で、PCを閉じた手がどう見ても男性だったことがそもそも謎。ホラー映画特有の「いろんな意味ですっきりした」「ほっとしたような」なラストはまったくなく、とにかくモヤモヤが止まらない。
脚本や設定にしても、すでに死んでいるローラが復讐するのはいいとしても、Skypeを抜けたら死ぬとか、ゲームに負けたら死ぬとか、何でもありと来た。死んでいるのにどうやってタイピングしてんだというツッコミは無しだろうが(いや、言わせてくれ)、それにしても真新しさがまったくないのも問題だと思います。ローラによる復讐の過程で友人たちの悪事が暴かれていくのはいいけど、そのどれもが共感できず、正直「くだらねぇ」と思ってしまう。そもそもすべての悪事が自業自得だから救いようがないし、内容に恐怖すら感じず、復讐する価値すらない友人たちだった印象。1人くらいまともな人間いてもいいんじゃない?って思ったけど、みんながみんなクズだったね。

あと、個人的にストレスだったのは字幕が横にも縦にも出たことかな。PC画面上だから表示範囲が限られているんだろうけど、あっちこっちいくから情報処理に少し時間がかかり、内容を把握するのに疲れました…。そのせいで、本来は怖いシーン(?)でもまったく恐怖を感じませんでした。

SNSやSkypeを利用した新感覚ホラー(2016年の作品なので)という謳い文句なんだろうが、流し見すら苦痛の作品かもしれん。とにかく、ガヤガヤ内輪もめを楽しめる人はどうぞ。
氷雨水葵

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