チョマサ

ロング・トレイル!のチョマサのネタバレレビュー・内容・結末

ロング・トレイル!(2015年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ロバート・レッドフォードの映画は『明日に向かって撃て!』くらいしか見てないです。
ずっと映画で活躍してる方ですが、90年代に生まれた人には、サンダンス映画祭など、インディーズでずっとやってる人の印象が強いです。70年代から80年代前半のスターと思っています。


ロバート・レッドフォードは作家のビル・ブライソンを演じてます。彼はほとんど引退状態の作家で、最近出した本も過去作の再録本。宣伝のため出演した番組の司会者に、舐めた態度を取られるところが、作家としての立ち位置を表してます。

葬式に出てるのに、亡くなった友人が死んだことを気付いてなかったりとボケ気味。孫や家族との関係は良好だけど、物足りない日々を送ってます。

そんな彼が、葬式の帰りに散歩してると、アパラチアン・トレイルの3500㎞先に続く道の看板を発見。それに興味を覚えて、トレイル踏破に挑戦します。

自分探しとか、そういった物語じゃないです。退屈してたから挑戦してみたって感じです。そんな始まりなんですけど、お互いに私生活の悩みや今までの生き方を振り返ったり、カッツが女を追いかけて亭主に追い掛け回されるところとか、若い頃もこうだったんだろうなって推測出来て、シリアスな展開はないけど面白いし、景観の空撮などでも見せてくれます。山や町やダムとか、そういった風景も楽しめます。

道中のエピソードが面白くて、人妻に手を出したり、トレッキング初心者のビルとカッツをバカにしてるメアリーがよかったです。テントやご飯にダメ出しをしてるところかよくいそうなタイプです。キンキン声でGet Luckyを歌うところは面白かった。

カッツのホーボーな人生とビルの実直な人生の対比もよかった。ニック・ノルティはレッドネックなんだろうなって容姿や、ダメ男な見た目とかよく演出してたと思います。二階建てベッドの底を抜いて落ちるのは笑いました。

こういう自分探しっぽい映画は避けるんですが、ロバート・レッドフォードで観てみたら、意外と堅実なつくりのコメディドラマでした。本物のクマを使ったりしてるところもあります。
崖から落ちる所は流石にセットだったけど、そんなにシリアスな映画でもないので、映画の調子にはセットの方が合ってましたね。

自分探しとかのナルシストっぽいところに陥らずに、男二人の物語にしてるのが上手くいった理由な気がします。最初はポール・ニューマンとふたりで主演しようとしてたみたいで、そっちも見たかったです。

ロバート・レッドフォードが語る、中年&老年の危機描いた「ロング・トレイル!」への思い入れ
2016年7月9日 06:00
http://eiga.com/news/20160709/2/
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