もけ

ラン・オールナイトのもけのレビュー・感想・評価

ラン・オールナイト(2015年製作の映画)
3.7
父と息子の間にはいろいろあるんですという映画。

親友同士の息子が揉めて、息子を思って片方の親が親友の息子をとっちめたら友情が揺らいじゃったという割とよくありそうな話を街の抗争レベルでドンパチやってしまった作品。

マフィアの親分のドラ息子は確実にクズで、父親自身も手を焼いていたが、そんなできの悪い子でも息子は息子。
いざ殺されたら復讐に燃えてしまう親心。

それとは対照的に、長年汚れ役を背負ってきた呵責のために、呑んだくれのクズになっていた殺し屋ジミーは、家庭を崩壊させて、息子マイクとは音信不通。その息子は立派なカタギ(アルバニア系マフィアを送迎していたとしてもだ)として平穏な生活を送っていた。
そんなマトモなマイクが親友の息子や親友に命を狙われたとなれば、それまでいかにクズな父親だったとしても命をかける親心。

呑んだくれでクズな父親でも、実は息子思いだったんだという、残念な父親を持ってしまった人のファンタジーを充足させるリーアム・ニーソン力はいつも凄まじい。
一方、呑んだくれでクズな父親でも、実は息子思いだったんだという事実を知った息子が許してくれるという、家族関係に後悔を背負った世間のお父さん達のファンタジーを充足させる象徴としてのリーアム・ニーソン力もすごすぎる。

しかし、この映画で最もラブラブだったのは、ジミーとショーンでした。
合掌。
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