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呼吸 友情と破壊のtransfilmのネタバレレビュー・内容・結末

呼吸 友情と破壊(2014年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

myfrenchfilmfestivalコンペティション部門に出品されている作品です(この映画も、今日までならitunesなどでダウンロードでして観ることができます!ぜひとも)

メラニー・ロランが監督&脚本してるとあれば
みないわけにはいかない。

人間って、ある程度は顔に人格がでるものだと思ってるけど、
さらに脚本と監督もすれば、その人の内面がより明らかに出てくると思う。
フランスの映画監督、ジャン・コクトーと言う人が「オルフェの遺言」と言う映画の中で、「映画を作ると言う仕事は、ストリップショーみたいなもの(自分自身の魂をさらけだすから)」と言ってたんですけど、個人的にはその通りだと思う。

17歳の思春期、二人の女性の友情を描いた作品。
観終わった後、ものすごくよくできている映画だと思いました。

なにがよくできてると思うかというと、
サラ、シェルリというメイン二人のキャラクターが良くできてると思う。
この二人はお互いに互いを微妙に理解できていないけど、
観客として観てる限りは、二人ともよくわかる人物でした。

サラは、器用で、他人の心情を読むことにも長けてるけど
見栄っ張りで、少し他人の欠点に不寛容な女性だと思った。
シェルリは、この世代の女性としてはかなり寛容な性格だけど
不器用で、他人の心情を読むのが苦手な女性だと思う。

個人的には、サラは最後まで「クラスメート」と言う言葉を引きずっていたと思う。
最初はシェルリの「特別扱い」をやめ、
シェルリが秘密を握ってしまったことから次第にそれだけだと我慢できなくなり、攻撃的になっていったんだと思う。
サラの立場になって考えると
「クラスメート」の言葉を後から何も弁解しないところが
なおさら腹が立ったんじゃないかな・・と思った。

シェルリは、割と自分自身の感情を表にだせないし、
途中からサラの心情が読めてなかったととおもう。
もし、サラがシェルリのことを完全に無視するような、
平凡な仕返しをする女性だったらよかったかもしれないけど、
サラは「特別扱いをやめる」というのが
一番ひどい仕打ちだと理解してやったため
シェルリはなおさらサラのことが理解できなかったろうなと思う。

ラストは、これでいいのか?と一瞬思ったけど、
まあ・・良かったと思う!

この映画を観て、サラ・ポーリーのライバルは
メラニー・ロランということがよく分かりました。
知的で、女性的な映画だと思う!
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