JunIwaoka

ぼくとアールと彼女のさよならのJunIwaokaのレビュー・感想・評価

4.9
2015.9.19 @ iTunes Store On Demand

待ち望んでおりましたー!とワクワクしながら再生しつつも、あまり期待しすぎちゃうのもなぁなんて思っていたら、直球ストライクど真ん中すぎた!自分にとって(つまり"誰にとっても"ではないことが重要)大切だと思っていることがギュッと詰まった特別な映画。
プロットとしてはあまりにも"Restless (永遠の僕たち)"まんまなんだけど、良くも悪くも現実離れしているガス・ヴァン・サントの世界観とは違い、ウェス・アンダーソン+マーク・ウェブみたいなキュートな世界観に、過剰な展開はなくユーモラスでネクラな描写に親近感が湧く。
高校のときに「朝から夕日を背負っているね。」と女子に言われていた身としては、自己投影してしまう活気のない目をしたグレッグが、美人なレイチェルの心を支える存在であることが嬉しい。二人を繋ぐきっかけが映画なのも嬉しい。
クラスメイトたちが末期の病に気まずく疎遠になるなかで、人助けだと思って相手してよと言ってしまうグレッグ無神経がいい。うわべっつらの同情されるよりも必要とされることのほうが大切かもしれないよね。そんなレイチェルが「ネズミみたいな変な顔してるし、まともに喋れないし、嫌悪感に打ち負かされている」と人の気も知らずに腐るグレッグに「No」と言い続けるシーンが好き。
人それぞれ夢があるよう自分が何者か考えたときに、誰かにとって一緒にいて安心するような、笑顔でいられる存在でありたいと願う。
そして一緒にいた時間は打ちひしがれた心の中であったとしても、未来を示す本に彫り込まれた輝かしい瞬間が思い出として残る。いつも冴えない顔したグレッグが自分の存在が決して無駄ではないことを知って、背筋を伸ばして前を向く瞬間、レイチェルの想いに満たされて幸せな気持ちになったよ。
JunIwaoka

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