このレビューはネタバレを含みます
「Because he loves her」
エマ・ワトソン主演の実写版「美女と野獣」より。
この台詞がすごくいい。
元となったディズニーアニメの美女と野獣では、愛しながらもベルを解放する野獣に対してコグスワースが尋ねる。
「彼女を解放した」
「何ですって?貴方がそうしたのですか」
「私がそうした」
「でも何故・・・」
「(なぜなら)彼女を愛しているから」
こちらがアニメーションでの野獣とコグスワースの(ざっくり訳の)対話。
けれど実写版ではポット夫人が「(なぜなら)彼は彼女を愛しているから」と答える。
家来たちが後ろでみつめるその先で城を飛び出ていくベルをみつめ、愛しながらも手放した苦悩に陥る野獣。
野獣の周りには彼女への愛で家来たちの入り込む余地のない空気が流れ、彼女のことだけを切なく想う。
けれどコグスワースは聞かずにはいられない。彼女さえいれば、彼女が主人を愛してくれれば主人も私たちも元に戻れるのに。
そこへ女性であるポット夫人がそっと答えるのだ。「彼は彼女を愛しているから。(愛しているからこそ彼は彼女を解放したのよ)」
野獣には脇目も振らずにベルへの想いに浸ってほしい。その演出を汲み取った結果が「Because he loves her」であるのならば。
なんという美しい言葉なのだろうか。そう思わずにはいられなかった。
あとガストンが最高にイケてて最高にゲスくて最高だった(語彙力の低下)