わたP

スティーブ・ジョブズのわたPのレビュー・感想・評価

スティーブ・ジョブズ(2015年製作の映画)
4.0
僕は丸っきりマックユーザーで、今もiPhoneでこれを書いてるし、車にはiPodを繋いでるし、家に帰れば10年もののMacBookがジリジリ言いながらも動いてる。
マックの何がそんなに魅力かっていうと、一回使ったら離れられないこと。
iPhoneのスルスル感はどのAndroidにも出せないし、iPodの質感も完璧だし、Macのウインドウやポインタの動き、アイコン、全てが好きだ。

そしてそういうものを、ジョブズの独善的な経営が生み出したことも知っている。

だからジョブズが人間的に問題のある人だっていうのは重々承知だけど、この映画はそういうジョブズのブラックで誰も理解出来ない部分を延々と描いていて、ここまでかよ。と思ってしまった。

脚本のアーロンソーキンの映画はソーシャルネットワークとマネーボールしか見たことがないのだけど(どっちも大好き!!)
他人からは理解出来ない部分を持った独善的な人物を描いていて、そういう人間の正しくない振る舞いに目を離せなくなってしまう。
この映画もそうで、面白いのかなんなのかよくわからないけど、いつの間にか目が離せなくなって、夢中であっという間に時間が過ぎていた。
舞台裏の会話劇を三幕やってるだけなのに、これだけ話にのめり込むことが出来たのは監督の技量によるところなのだろう。

ジョブズの人間性については、許せないという人が多いだろうし、それで職を失ったり名誉を傷つけられた人もいるのだろう。
だけど、ジョブズ亡き後のiPhoneアップデートでクソダサいフラットアイコンに変わってしまったことを僕はよく覚えている。
それが何だと言われればそれまでだけど、より良いものを作り出す情熱は誰よりも持っていたのだろう。
だからこそiPodやiPhoneが出来るきっかけになったであろうやりとりにはにやりとするし、どこかこの人のことを愛おしく思えてきてしまうのだ。

とか言ったけど、この映画はジョブズのことを肯定的に見て欲しいとは全然思っていないと思うし、怒る人は怒ればいいと思う。
そして僕はこれからもアップル製品を使っていくし、ダサいものが出る度にジョブズ生き返らないかなーと思うだろうな。
わたP

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