bebemama

怪物はささやくのbebemamaのネタバレレビュー・内容・結末

怪物はささやく(2016年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

少年の孤独。
誰にも甘えられない。
母親は病気、父親は離婚して別の家庭、おばあちゃんは娘の病気の為かコナーに優しくできない。
おまけに学校でのイジメ。

繊細な少年だから、自分の感情を素直に出せない。
弱さを誰にも言えない。
怪物を介してでしか。

怪物は、辛い現実からの逃避の為に作り出した自分の感情であり、また自分を支えてくれるもの。
ずっと、ずっと怪物は寄り添ってくれていた。

怪物の語る物語。
何にでも二面性があり、真実は単純ではない。コナーの心の二面性に通じる。
母を愛しているが、終わらせたい。
待つのがつらくて。
孤独から逃げたかった。

コナーは自分の心の真実がわかっている。
それに向き合う事でしか心が癒されないって事も。
わかっていても、それに向き合う事の辛さ、、、
でも、遂に怪物を自ら呼び出す!

少年の成長物語だけど、本当に哀しくて、苦しい。
コナーが語らなくてはならない物語が辛くて辛くて。

そして、孤独な少年の見る夢と時間の意味が分かった時は涙が溢れた。


あの歳で母親を失うのも辛いが、子供に先立たれるおばあちゃんも辛い。
気が合わないようだが、コナーもおばあちゃんも似た者同士。

辛い話だったけど、美しいアニメーションとラストのおばあちゃんとの関係で少し救われた。
bebemama

bebemama