このレビューはネタバレを含みます
少年の孤独。
誰にも甘えられない。
母親は病気、父親は離婚して別の家庭、おばあちゃんは娘の病気の為かコナーに優しくできない。
おまけに学校でのイジメ。
繊細な少年だから、自分の感情を素直に出せない。
弱さを誰にも言えない。
怪物を介してでしか。
怪物は、辛い現実からの逃避の為に作り出した自分の感情であり、また自分を支えてくれるもの。
ずっと、ずっと怪物は寄り添ってくれていた。
怪物の語る物語。
何にでも二面性があり、真実は単純ではない。コナーの心の二面性に通じる。
母を愛しているが、終わらせたい。
待つのがつらくて。
孤独から逃げたかった。
コナーは自分の心の真実がわかっている。
それに向き合う事でしか心が癒されないって事も。
わかっていても、それに向き合う事の辛さ、、、
でも、遂に怪物を自ら呼び出す!
少年の成長物語だけど、本当に哀しくて、苦しい。
コナーが語らなくてはならない物語が辛くて辛くて。
そして、孤独な少年の見る夢と時間の意味が分かった時は涙が溢れた。
あの歳で母親を失うのも辛いが、子供に先立たれるおばあちゃんも辛い。
気が合わないようだが、コナーもおばあちゃんも似た者同士。
辛い話だったけど、美しいアニメーションとラストのおばあちゃんとの関係で少し救われた。