赤いジャケット

四季~ユートピアノの赤いジャケットのレビュー・感想・評価

四季~ユートピアノ(1979年製作の映画)
4.5
ふと何がきっかけなのか思い出し、無性に観たくなった
断片から断片、場面に場面を思い出す
初めに浮かんだ断片は走るA子だった
多分ラストシーンだと思う
次に年老いた調律師の部屋を思い出し
船が浮かぶ、水の上に浮かぶのは勿論だけど、A子が調律に訪れた船だ
多分何のことかわからないと思う
自分でも何を書いているのかわからない
ただその映像の断片を思い出す度に、暖かさ温もり、素晴らしい物を見ていたという満足感が起きる
しかし話の筋は思い出せない
北国から南の島での暮らしを経て郊外の町へ、そして都心
A子はドラマの中で移動し続ける
ピアノの調律師を目指すA子の話
それが佐々木昭一郎が演出したNHKドラマ【四季ユートピアノ】
1980年に放送されたフィルムドラマだったと思う
観たくなったのは音が記憶から失われてしまったからだと思う
無音の断片
雪の原野に佇み、カメラに向いて立っているA子
目から一筋の涙
これが冒頭だ