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リリーのすべてのsahoのレビュー・感想・評価

リリーのすべて(2015年製作の映画)
4.7
究極の愛の物語、ってよく映画の宣伝でみる言葉だけど
この映画こそまさに美しく、儚く、悲しい究極の愛の物語だと感じた
私の乏しい感性と語彙力では一ミリも伝わらないぐらい、素晴らしかった

オスカーで助演女優賞をとったアリシア。
アイナーのことを愛しているから、リリーをも側で支えるゲルダ。
支える=アイナーを失うことと分かっていても。
アイナーがいなくなり、完全にリリーになった後ゲルダが言う言葉。
"It's not so long ago we were married, you and me"
"You and Einar"
"I know it was Einar. But really, it was you and me"
この時、性別ってなんなんだろう、ってすごく考えたし、
ゲルダは、男として夫としてではなく、一人の人間として、
心からアイナーを、リリーを愛しているんだなと感じた

オスカーノミネートされたエディ。
彼の演技は繊細で表情一つ、動作一つでたくさんのことが分かる所が好き。
監督のカメラワークのセンスももちろんのこと、
アイナーの中のリリーが生まれてくる瞬間の表現が天才的。
リリーのあの今にも壊れてしまいそうな笑顔に何度胸が締め付けられたか。
そして完全に「リリー」になった時に発する言葉で号泣。

映像美、引き込まれる美しさはため息をついてしまうほど。
アリシアの美しさとエディの美しさ、街並、インテリア、アート。
全てが完璧なまでに融合されていて映像美だけでも十分に見る価値はアリ
ラストシーンは必見。
「自由」をここまでアーティステックに表現した演出を初めて見た。
今まで見た映画の中で一番印象に残ったラストシーン。

I've never seen such a beautiful, moving, touching, and splendid film. Back then, people who were sexually confused were considered as ill. But things have been slowly changing today, this film being a huge inspiration for transgender movement.
We all have necessary to appreciate The Danish Girl and at the same time something beyond the art of this beautiful film.
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