らんらん

待って居た男のらんらんのレビュー・感想・評価

待って居た男(1942年製作の映画)
4.0
戦前の娯楽ミステリー時代劇
監督はマキノ正博、脚本は小国英雄
主演は長谷川一夫&山田五十鈴、助演に高峰秀子
前年にこの3人が出てる「昨日消えた男」って映画があって、その姉妹作?みたいな感じらしい

【あらすじ】
江戸からちょいと離れたとある宿屋が舞台(デコちゃんはそこの奉公人)
その宿屋では若旦那が奥さんを貰ったばかり、仲睦まじく幸せそうなんですが奥さんに次々と災難が降りかかります
足袋の中に針が混入されていて足を怪我したり、建増工事中の家を見に行ったら木材が倒れてきて頭を怪我したり
こんな災難が一度や二度ではなく何度も続いていていることから何らかの恨みを持つ犯人の仕業と思われ思案に暮れる家中の者たち

そんなタイミングでその宿にやって来たのが長谷川一夫&山田五十鈴の夫婦である
山田五十鈴は有名な目明しの娘であり、夫の長谷川一夫も優秀な目明しだったのだ

ということでこの事件の真相と犯人の謎解きが始まります!

【感想】
まずキャストが豪華
戦前の映画なので知らない役者さんも多いんだけど
長谷川一夫、山田五十鈴、高峰秀子のスターをはじめ、脇でもエノケン、進藤英太郎、藤原釜足、中村是好、清川玉枝、山根寿子、、、と知った顔が多くて、その点でもすごく楽しめました

今回は再見になります
市川雷蔵主演の「女狐風呂」を見てたら本作のリメイクなことに気付き
記憶が曖昧なこともあって改めて本作の鑑賞及びリメイク作との比較なんかをします

たぶん一番の違いは高峰秀子の存在
実績実力人気的にもスターなデコちゃんは当然出番が多くおいしい役をしています
一方リメイク版で同役を演じる中村玉緒の出番はあまり多くなくあくまで脇役
その差が終盤からラストに至る展開にも影響してると思う

本作ではエノケンの存在も大きいんだけど、リメイク版ではその役自体カットされてる
これはこれで好みの問題かなぁ
デコちゃんやエノケンの存在もあって長谷川一夫&山田五十鈴の映画って感じがあまりないのに対して
リメイク版ではあくまで市川雷蔵、そして瑳峨三智子の映画って感じ
こちらの方がみんなが楽しめる娯楽作品にはなってると思う

個人的には、、、古さを感じるというかくどいというか空回ってるようにも感じちゃうエノケンがいなくて雷蔵や瑳峨三智子に集中出来たリメイク版の方がコンパクトで好きか

それにしても主役の長谷川一夫&山田五十鈴はリメイク版の市川雷蔵& 瑳峨三智子と甲乙つけがたいくらい魅力的な映画です

長谷川一夫をよりカッコ良く見せていく演出、山田五十鈴をよりかわいらしく見せていく演出、このあたりもまたいいんですよねー
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