fujisan

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのfujisanのレビュー・感想・評価

4.1
『消えものたちの美学』

お正月用にとっておいた映画をアマプラレンタルで視聴。

のっけから雑談で申し訳ないのですが、ガンダムが好きなんですよ。すごく。

でも、好きなガンダムって最初の三作(ガンダム、Zガンダム、ZZガンダム)と逆襲のシャア、それから閃光のハサウェイだけなんですよね。なので、毎年なんらか発表されるガンダムシリーズは観ていないんです。

さてスターウォーズ。
これまた大好き、というか、そもそも自分が映画好きになったきっかけを作ってくれた映画で、子供の頃に劇場に連れて行ってもらい、夢中で観たことを今でも覚えています。

今のシリーズでいうと、エピソード4からエピソード6までですかね。何度も何度も観ていたので、2000年ぐらいに「エピソード1・ファントム・メナス」をやると聞いた時は本当に嬉しくて、もちろん観に行き、懐かしくて感動したことを覚えています。

でもその次の「エピソード2・クローンの攻撃」を観た時に、あれ?何か違うなぁと思い始め、好きなシリーズだっただけに反動も大きくて、その後の「エピソード3・シスの復讐」は観ませんでした。

その後もエピソード7~9やアニメ版、そして「ローグ・ワン」や「ハン・ソロ外伝」、Disney+で続くドラマシリーズなど、未だに一切観ていないっていう拗らせっぷりです😅

そんな状態で本作を観ようと思ったのは、昨年観たギャレス・エドワーズ監督の「ザ・クリエイター/創造者」。パンフなどで語られている監督のスター・ウォーズ愛と「ローグ・ワン」で苦労した時の話がとても興味深く、観てみようとなりました。


■ 感想

皆さんの評価やレビューで期待値上がっていたのですが、高くなったハードルを超えてくる素晴らしい映画でした。

Amazon Prime Video版は+1時間分のメイキング映像が含まれていたのでトータル3時間半の長さでしたが、一切中断せず、なんなら部分的に繰り返し観るほど夢中になって観ました。

メイキングも興味深く、
「ローグ・ワン」のきっかけとなった、エピソード4のオープニングクロール(物語の背景解説)に書いてあった『デス・スターの設計図』についての数行を2時間にふくらませるというアイデアや、アメリカ、メキシコ、中国から俳優を集めた話。

竹馬を履いてK-2SOを演じたアラン・テュディックの役作り、キャシアン・アンドーを演じたディエゴ・ルナの映画監督としての経験が活きた話、ドニー・イェンが盲目だったのは本人のアイデアだった話など、本当に面白かったです。

また、いかにエピソード4にスムーズにつなげるかの苦労は相当なものだったようで、CGによるレイア姫の再現にとどまらず、反乱軍基地を実物大で再現したり、膨大な小道具倉庫を探索し、不自然がないように小道具を再現したりという細かい気遣いまで。

さすがにメイキングでは語られていませんでしたが、
その後、一旦完成した映画がディズニー上層部のダメ出しによって半分を撮り直し、再撮影監督はギャレス・エドワーズではなくトニー・ギルロイが行うという異例の展開。

ギャレス・エドワーズ監督にとっては屈辱的な展開だったかと思いますが、
それも含めて「ローグ・ワン」だったんだなと思います。

「ローグ・ワン」の登場人物を”消えもの”と評したのは岡田斗司夫氏。レジェンド作品であるエピソード4がある以上、そこに登場しないメインキャラクターはすべて消えなければならない。
ただそんな制約があったからこそ、「ローグ・ワン」も神作品入りしたのかもしれませんね。

本作のエンディングで描かれた美しい海辺での爆発シーンは「ザ・クリエイター/創造者」でもほぼ同様のシーンが繰り返されていて、ギャレス・エドワーズ監督本人にとっても、けじめを付けたかったのかなと思いました。

円盤買おうかなー😊
fujisan

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