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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのVigocultureのレビュー・感想・評価

5.0
スカイウォーカー家が主役でないが故の”スピンオフという位置づけですが、それが故に、単体としての完成度はシリーズでもピカイチですね。

1から3はジェダイトとシスの一進一退を描き、3で「絶望」が目を覚まし、4の「新たなる希望」へつなぐ、絶望の最中に微かな光明を見出すための物語。

だから 暗く、泣けてしまう。
昨年の「フォースの覚醒」に続き主役が女性になりました。
ふたりとも孤独でうなされるような過去を持ちながらフォースに導かれます。
かたやライトセーバーも操れる根明でフォースネイティブなレイに対して、
フォース自体とは縁のない根暗なジン。
そのジンが、フォースとは誰もがもつ諦めない心だと気づく過程をしっかり描いたあとの、「希望を信じて戦うこと」だと啖呵を切るシーンは感涙もの。
そしてそれこそが、新たなる希望へ受け継がれるもっとも重要なものです。

4において、弱点をつけばデススターを壊滅させられるという設定に疑問符があり、娯楽映画ということて納得していましたが、そこに対して後付けで見事な理由付けを行いましたね。
そしてそこに、swおきまりの家族ドラマを与えるというのは素晴らしいアイデアだと思います。

映像的にも、4から3に至るまで大いなる空洞がありました。
そしてそれが一部にはswへの新参者の抵抗を産んでいることも確かです。
今作はその空洞を埋める役割も務めています。
これは7でもそうでしたが、眼を見張るCGと共存してアナログな映像があり、壮大なロケがあることが、物語に親近感を抱かせる。
宇宙船のLEGOのような質感、操作盤のボタンたち、デススタービーム発射の際の作業員たち、パイロットのサンダーバードのようなチープ感、宇宙船の崩落シーンはさながら「2001年宇宙の旅」のようなSFからの引用、そういえば冒頭の街並みも「ブレードランナー」のようでした。


この共存が3と4を違和感なく接続するために少なからず効果を持つと思います。

7でも思いましたが、デススターの残酷描写がとてつもない恐怖を抱かせますね。

コメディタッチの7に対して、シリアスさを貫く今作も大好きです。
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