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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密のVigocultureのレビュー・感想・評価

3.6
この作品の立ち位置が「スターウォーズ2」と思えば、色々と腑に落ちる。


結果的にビジュアル面で2作目のダークなテイストが好みではあったのと、申し訳程度にしか出てこない魔法動物のことを考えれば、世代的にハリポタと共に育った人間としては見続けないといけないし、そこに大きな可もなく不可もなくシリーズは続くという感想。

ダンブルドアの秘密をじっくり描く体で、グリンデルバルドの謎の政治劇をじっくり描いており、グリンデルバルドとの最終戦争の前に一旦クリーデンスを整理しておきましょうというのが裏テーマ。いや、前作の引きで言うと、クリーデンスVS.ダンブルドアのガチガチのやつがクライマックスでもよかった。

作内での起承転結はあるものの、1から続くグリンデルバルドの物語はまだまだ承と転。次作に大爆発を期待しつつダンブルドアとグリンデルバルドとクリーデンスの話を丁寧に消化しに行った感じ。

狂気をはらむジョニデ版が好きだったものの、ここまで民衆の支持を気にするグリンデルバルドの政治家の一面を見せるならマッツもドンズバだったと思う。(本当はマッツのキャリアとハリポタシリーズの邂逅は、”名物”闇の魔術に対する防衛術の先生(不穏な魅力のある味方)としてどこかで登場してほしかった)

盛り上がりに欠ける要素は色々あって、
グリンデルバルドの配下がいまのところモブばかりで、いまいち1on1の最終戦争に持っていける気がしていないのが次回作への不安。
そしてユスフ、お前のミスリードはなんだったの。さらっと入って妹の記憶を失いながらさらっとモブを倒すだけ?
そして最強のクリーデンスが中盤であっさりと退場してしまい、グリンデルバルド以外にもはや怖いものはないまま終盤を迎えてしまったので、本当に単純な政治で終わったのがちょっと…。
(ダンブルドアとの一騎討ちは消化したものの、案の定の前哨戦、アップして終わりであっけない)

という感じで、キャラクターの拡げ方と掘り下げ方には難あり。
ティナをスタメンから外してブサイク(三枚目)のパンティを置いたのはいただけない。
キャサリンウォーターストンも好みが分かれるラインにいるけど配役として二枚目。
「どうせダンブルドアとグリンデルバルドにしか目がいかない」くらいの考えは8割正しいけどそうとしか思えない脇役の作り込みの甘さにガッカリ。
バンティの役目を前作から印象の強いキャラクターにやらせるべきだった。
あんな作戦云々なんてあってないような整合性に拘らずに、カッコいいキャラがおいしいところを全部持っていく”ご都合主義”こそ、期待される大作を大作たらしめるんですよと。


4で前後編としてもいいけど、いまのままではグリンデルバルドを追い詰めて普通に勝ってしまうので、なにか爆発力をもったアイデアに期待。
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