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ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのtanayukiのレビュー・感想・評価

4.6
エピソード4の長年の疑問「なぜプリンセス・レイアはデススターの設計図を持っていたのか」「そもそもデススターのような巨大な構造物が、なぜあんなに簡単に破壊できたのか」に答えるスピンオフ作品。はるかかなたの銀河系の支配権を巡る争いが、たった一つの血族の骨肉の争いに矮小化されるシリーズ全体のモヤモヤ感をきれいさっぱり払拭して、名もなき兵士たちの活躍にスポットライトを当てた本作が、個人的にはいちばんツボった。

自ら犠牲となって散り、後に続く者に希望を託す精神は、日本人好みの滅びの美学になりがちで、そのあたりが肌に合わないという人が多かったのかもしれないが、もしそれが、エピソード8でローズがフィンの特攻を止めたシーンにつながったのだとしたら、なんというか、残念な気持ちになる。生き残るのが大事なのは言うまでもない。だが、それが許されないような絶望的な状況でもなお前進しようとする人々の姿に、心を鷲掴みにされるのではないか。

スターウォーズは娯楽作品だと割り切るなら、それもよし。だが、本作にはそうしたゆるさはない。どちらを好むかは人それぞれで、まさに好みの問題というしかない。

ギャレス・エドワーズ監督「基本的にジェダイがいない時代の物語です。神は助けにこない、だから自分たち自身でやらなくてはならない 」→
【ネタバレ】「ローグワン」を「スター・ウォーズ」最高傑作たらしめた21の理由 | ciatr[シアター]  https://ciatr.jp/topics/311559

△2020/05/25 Apple TVで7回目鑑賞。スコア4.6
△2016/12/29 109シネマズ二子玉川で鑑賞。スコア4.5
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