Baad

頬にキスのBaadのレビュー・感想・評価

頬にキス(2002年製作の映画)
4.3
インドの巨匠、マニ・ラトナムのIMDbでの評価が最も高い作品の一つ。
フィルムセンターのアジア映画特集にて。

スリランカ内戦の取材をするニュースキャスターと作家は幼友達。取材中の2人のもとにスリランカ内戦から逃れて来たタミル人の女性から生まれた赤ちゃんが託される。その子を育てるためもあり結婚する2人。やがて娘は賢くおしゃまに成長し、自らのルーツを知りたいと願う。

おそらく10歳前後、女の子の生意気盛りの年齢。
友人のつてを辿ってスリランカに入った一家はゲリラ戦を伴うスリランカの過酷な現実に直面する。

案内人の友人はスリランカの多数派のシンハラ人、夫婦と娘の両親はタミル人という絶妙な組み合わせで、それぞれの立場とやるせない思いを浮き彫りにする。

いろいろあって娘は実の母から話を聞くことが出来、現実に向き合った結果、娘なりの結論を出すという話の流れ。

養父母のカップルがあまりに良いひとすぎてインドらしい大甘な話の流れにはなっていますが、見応えがあります。

『きっと、うまくいく』のファラン役、マーダヴァンさんの代表作の一つ。

この映画に関する豆情報。
自爆テロの始まりはこのスリランカ内戦からと言われています。自殺を嫌うイスラム等の一神教ではなくタミルのゲリラですからヒンドゥー教等の多神教の文化のもとで始まった。
日本の武器輸出についてのインド/スリランカのインテリの鋭い(うがった?)意見も聞けます。

(スリランカから来た娘. 90点 2018/11/8記)
Baad

Baad