好きだという事実と、愛おしい記憶がまさってその存在が自分の人生から引き算されたことにまだ気づけていない。
事故で父親を引き算されたこと、それが悲しいということそれに気づくのにどれだけ時間がかかったか。
どれだけ難しい問題がわかってもたったそれだけの簡単な算数が理解できなかった。
そんな簡単な算数がわかった途端に難しいと思っていた問題が全部わかった。
母親のことも、彼女のことも。
久しぶりに何かをキレイだと思って泣いた。
夕日が差して小麦色の世界でネイサンの髪一本一本に光が差してキラキラしてキレイだった。
嫌なことすらドキドキした。
正解のわからないキスとか。
眩しくきらめく信号とかなんだか綺麗で泣けた。
ネイサンの瞳はものすごくキレイな色だった。
外はすごく暑い。誰かといたらこの暑さももしかしたらドキドキするのか。
そんなことはないかと、退散して部屋でこっそりタバコを吸いつつまた泣きたくなりました。
休みがはじまりつつ終わり始めている。