ゆう

ヒメアノ〜ルのゆうのレビュー・感想・評価

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)
4.0
多分今作を見逃してしまった方でも、今作がヤバい奴が出てくる映画だということは知っていると思うので、その点に関しては、ネタバレということにはしないで書くので未見の方はお気をつけて。

トリプル9のレビューでも触れましたが、シチズンフォーとトリプル9の間に3時間くらい空きができてしまったので、渋谷の街を目的もなく、ただぶらぶらしていたんですね。ヒューマントラストの椅子で一眠り決めこもうとエレベーターに乗り込むと、お姉さま2名がヒメアノールの話をしているので、上映時間を見ると、ちょうどいい!それで、見るという経緯に至った訳です。

ストーリーとしては、森田はきっかけがあって、あのような人間に成り下がってしまった訳です。もともと、悪い奴ではないんです。

話は逸れますが、鑑賞後、あまりの今作の衝撃度にエンドロール後も、ポツンと座っていると、2人の女性がまだ帰らず座っているんですね。ああー、なるほど。あなたがたも、僕と同じで衝撃を食らったんですねと、同情していると、その内の1人の女性が見覚えがあるような。いやいや待て、マスクしているからよくわからんなどと、思考を巡らせてましたが、ピンときて、あるアイドルグループのメンバーの1人だったんですね。いや、別にその方が元々好きだという訳ではなく、それなりに有名な方です。

それで、ヒューマントラストの長ーいエスカレーターを下っていく彼女を見て、有名人は普通に信号を渡るのかという全くもってどうでもいい疑問を解決するべく、彼女を追うというストーカーまがいの決断をしてしまったのです。

結局、見失ってしまい、人混みの中に消え去ってしまいました。自分は、ついさっきまで、普通の人間でさえ、周りの人間に恐怖を与えてしまう可能性があると、教えてくれた物語を体感したのにもかかわらず、自分がその危険性を孕んだ人間になりそうな危機を防げなかったのです。

人間は自己正当化をしがちな生き物です。自分は大丈夫。そんなことは、自分の身には降りかかるはずがない。しかし、起きてしまってからは遅いんですよ。みなさんも気をつけましょう。

何か、自分が犯罪を犯したようなレビューになってしまいましたが、このくらい思考が広がる、素晴らしい作品でした。
ゆう

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