CharlieZG

ファニー・ガールのCharlieZGのレビュー・感想・評価

ファニー・ガール(1968年製作の映画)
3.2
ミュージカル苦手意識を克服するための挑戦
今回は
「ファニー・ガール」


喜劇女優ファニー・ブライスと賭博師ニックのロマコメ・ミュージカル。
実話ベースの創作らしい。

舞台の失敗がウケて喝采を浴び人気女優に登り詰める、思い込んだらやり遂げる我の強さが女優としての成功を呼び、恋も成就させていく。

それら全部がバーブラ・ストライサンドの独壇場、若くてキュートな容姿が目を惹くが、上手い“ヘンテコ”演技と圧倒的な歌唱力が見所。

別録り歌の口パクが基本だが、60年代後半という時代から見ても緻密に計算されたロケでのシンクロ撮影や編集の巧妙さには驚かされる。
ミュージカルというとステージかセットでの撮影が多いのに大胆なロケ(ヘリコプターからの撮影)での歌の繋がりが素晴らしい。
台詞歌唱に囚われず途中から心理描写に切り替わる歌の演出も独創的で良かった。
その辺りはワイラー監督さすがの手腕!

キスシーンが力強くガバっと覆い被さり “ザ ・接吻” という感じが60年代らしい(笑)
舞台設定の1910年頃は日本で言えば明治後期だけどファニーとニックが食事するレストラン個室は現代でも通用するほど豪華、時代考証が正しいならばアメリカの豊かさに改めて驚かされる。

ストーリーとしてはありきたり、ラストへの持って行き方も強引であざとく感じた。
ローマの休日の影がチラつくと霞んでしまう。
これは若きバーブラを観る作品。
涙ながら愛を歌い上げるラスト歌唱の何と力強く美しいことよ。


監督 ウィリアム・ワイラー

キャスト
バーブラ・ストライサンド
オマル・シャリーフ
ケイ・メドフォード
アン・フランシス
ウォルター・ピジョン
リー・アレン
メイ・ケステル
ジェラルド・モーア
フランク・フェイレン
ミティ・ローレンス
ゲルトフート・フリン
ペニー・サントン
ジョン・ハーモン
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