はなされるGANGのnagashingのレビュー・感想・評価

影響を受けてるどころかまんま『気狂いピエロ』で笑う。ストーリーの生成過程をそのまま映画にしてしまったようなメタノワール朗読劇。
ただ、ゴダールの場合、別れた女房を使ってあれを撮ってるのが解体しきれないキモくてエモくて情けない差し迫った表現になってるわけで、それに対して、この映画からはどうも知的遊戯としてのおもしろさ以上のものを見いだせなかったし、この種のメタ志向の強い作品が、話の空虚さをマクガフィンのさも意味ありげな中身を開陳することで糊塗しようとするのは逃げなのではないかとも思う。