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サイダーのように言葉が湧き上がるのnagashingのレビュー・感想・評価

4.0
シティポップの「都市」イメージの変遷(空想上の摩天楼やリゾートからローカルな生活圏へ)にビジュアル面で呼応する鈴木英人パロ。コンポジットで背景をいじりまくる傾向が目立つなか、フラットな質感と描線で勝負する戦略と意欲にやられる。そのように描写される世界を再肯定する言葉として俳句があるのも魅力的。少年と少女が心を通わせる場面は切り返しやスプリットスクリーンで分断し、すれちがう瞬間のカットは同一フレームに収めることに虚をつかれるが、だからこそふたりが隔てられたまま進行するラストが最高に思えた。サブカルおじさんのハイコンテクスト空まわり芸な気はするけど、私は好きです。
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