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竜とそばかすの姫のnagashingのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
2.5
「日本の制服ヒロインがディズニープリンセスの仮装をすることで歌声を手に入れる」という表象的にアツい設定にまったく批評性がない……。というか本当に中村佳穂でよかったのだろうか。横構図から縦構図への転換、奥行きの生起をドラマ上の契機に位置づける仕掛けはよかったが、全体的にはほとんど謎。要素要素の留保や宙吊り感が、意図したアイロニーなのか脚本の素朴な破綻なのか読めず戸惑いだけが残った。『サマーウォーズ』と同様、アニメでヴァーチャルな身体の接触や毀傷、空間の破壊を描かれても、ビジュアルに気持ちがついていかず、消化不良を助長する。
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