nagashingさんの映画レビュー・感想・評価

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旧作中心。スコアは10段階評価。
ネタバレにはあまり配慮してません。すいません。

映画(395)
ドラマ(8)

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

2.0

固有名がほとんど出てこないのに表現の抽象度は低い。抽象度を上げて(人名以外の)固有名は強調した湯浅政明とは対照的なアプローチ。土地の魔力ぬきでどこまでやれるのか、という原作者の意欲に寄りそった結果だと>>続きを読む

特攻大作戦(1967年製作の映画)

4.0

タランティーノもパクったオープニング・クレジットがかっちょいい。不発に終わってしまった潜在的な不安要素、ずっかり霧散してしまうリー・マーヴィンとダーティー・ダズンの緊張関係、計画が破綻するやいなや大味>>続きを読む

攻撃(1956年製作の映画)

4.5

女房を質にぶち込んででも観るべき傑作。坂を転がるヘルメットにクレジットが浮かび上がるスタイリッシュなオープニング、細やかでかつ大胆な人物造形、加護の祈りが復讐の祈りへと転じてしまうジャック・パランスの>>続きを読む

ヴェラクルス(1954年製作の映画)

4.0

敵と味方が複雑に入れ替わり、いったい何巴の争いなのかわからない。食わせもの連中のピリっとした緊迫感と軽妙なやりとりの混淆、静と動の緩急、高低差を強調した見下ろす/見上げる構図の反復など、あらゆるレベル>>続きを読む

彼女について私が知っている二、三の事柄(1966年製作の映画)

3.0

コーヒーにミルクが溶けて油分が浮き上がるさまのクローズアップがかなりコスミック。そこに、べートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番第3楽章が流れ、陽光に満ちた明るい通りのシーンにつながる。全体的にエモーショ>>続きを読む

ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦(1993年製作の映画)

1.5

セル画の質感と色調が最高。キャラクターの表情や動きも絶対にアナログ時代のほうがエロティックで良い。レイアウトはかなりテキトーで謎空間だが、省エネで戦闘を演出するための工夫された構図はなかなかおもしろい>>続きを読む

快楽学園 禁じられた遊び(1980年製作の映画)

3.5

とんでもないものを観てしまった。。。冒頭から終幕まで、『裁かるるジャンヌ』ばりに弛緩することなく持続するテンション。嬌声、慟哭、絶叫が鳴りやまない。教師→教師→教頭→校長、と立場が偉くなるごとにプレイ>>続きを読む

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993年製作の映画)

4.0

濱口メソッドもすごいのかもしれんがこれもすごいよなあ。子どもの演技が自然すぎる。台詞も口調にいたるまで完璧だし、小学男児に特有の幼稚な心理描写がほんとうにうまい。B面のスタンド・バイ・ミーだけでも最高>>続きを読む

クワイヤボーイズ(1977年製作の映画)

4.0

この芸達者で顔面の個性豊かなメンツが雁首そろえているだけで満足。PC的にはもちろんアウトなガチクズっぷりと一体の野卑なバイタリティー。画も話もうるさすぎて、登場人物の多さやごちゃごちゃした構成がマイナ>>続きを読む

ローラ殺人事件(1944年製作の映画)

4.0

とにかく滅法おもしろい。ちょうど真ん中で驚くべき転調が起こる。同年の『飾窓の女』とまったく同じ、眠りからのズームイン→アウト。「存在しない女」と「肖像画」というモチーフも共通。死んだ女に取り憑かれた男>>続きを読む

男性・女性(1965年製作の映画)

4.0

「マルクスとコカコーラの子どもたち」っていうか「マルクスの息子・コカコーラの娘」。なにもここまで極端に性差を強調しなくてもよかろーに。カリーナとの離婚が尾を引いているのかな。終盤のレオーの「行動の観察>>続きを読む

(1954年製作の映画)

3.0

名作なのはとてもよくわかるが多湿すぎて苦手な映画。飽食の現代には、以降のごちゃごちゃした作品群のほうが響く。ただ、寝たきりの子どもの部屋に導かれるシーンと、祭りのパレードのシーンは文句なしにすばらしい>>続きを読む

カンフー・マスター!(1987年製作の映画)

3.5

アニエス・ヴァルダとジェーン・バーキンによるショタ映画。40代のバーキンと恋に落ちる役を演じているのが当時14歳のヴァルダとドゥミの息子というのがまずすごいし、そんな映画にシャルロット・ゲンズブールを>>続きを読む

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.0

小説の映画化かくあるべし。原作の特性にもよるが、視覚をめぐる小説と映像の差異についてここまで考えぬかれた作品はそうないと思う。顔がそっくりというギミックひとつで、たんなる修羅場がホラーな不気味さをたた>>続きを読む

ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版(1978年製作の映画)

3.5

消費社会の寓話って感じ。冒頭のテレビ局や、ゾンビ化するロジャーを殺すシーン、終盤の三つ巴(?)の攻防における、めまぐるしく錯綜した編集がすばらしく見事。シチュエーションの構築優先で人物の行動原理が置い>>続きを読む

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

4.5

あらゆる時代をとおしてもっとも刺激的な映画のひとつ(by 村上春樹)とのことだが、政治的でも実験的でもない初期のゴダールはやっぱりヌルいと思うし、むしろそのヌルさこそが好ましい。自分のようなボンクラで>>続きを読む

愚なる妻(1921年製作の映画)

3.0

大幅縮小版らしいが、むだに豪奢な舞台装置と、役者陣の醜悪ないし鬼気迫る顔芸のおかげでじゅうぶん濃厚。本来は6時間半あったという話を聞いただけでもうおなかいっぱいです。テラスにつねに吹きつけてくる波風、>>続きを読む

ビッグ・リーガー Big Leaguer(1953年製作の映画)

4.0

モーレツに泣けた。プロ野球選手を目指す青年たちの入団キャンプの顛末を描いた青春群像。明暗わかれる彼らの友情と、それを見守る家族や球団関係者のまなざし。さまざまな人生の様相が浮かび上がってきて非常にエモ>>続きを読む

ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.0

アラン・レネでなくとも、ヴィスコンティやロッセリーニの名前を出したくなる。とはいえ、倦怠期の夫婦関係がなんとなく改善されるという『イタリア旅行』的な飛躍あるいはマジックに、『揺れる大地』的なロケーショ>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.0

ドリカム編成映画の新たなる傑作。撮影・照明・録音のすべてがすばらしくエモい。群青の夜と暖色の灯のグラデーションのなかでじゃれあう三人の奇跡のような自然体。フレーム外からの光や音による刺激で微細にゆらぐ>>続きを読む

サーカス(1978年製作の映画)

4.0

ドキュメンタリータッチというか、一部あきらかにドキュメンタリーだと思われるが、フィクションパートとみごとにとけあい、あらゆる風景と運動が生気をたたえている。冒頭のしっかりと手順を見せるテント設営からし>>続きを読む

魔法使いのおじいさん(1979年製作の映画)

3.0

風景は文句なしに美しい。自然光の加減によって絶妙に変化していく色調の豊かさに惚れ惚れ。子どもたちの歌、踊り、服のビビッドな色の取り合わせも楽しい。が、南インド版『やかまし村』×『二十四の瞳』っぽい前半>>続きを読む

いとこ同志(1959年製作の映画)

4.0

いろいろと心当たりがありすぎてつらい映画。鮮烈なまでのめぐり合わせの悪さが胸糞をとおりこしていっそ清々しい。なにもかもが裏目に出てしまうことの痛みと滑稽が絶妙に同居。筋立ての地味さのわりに、アクション>>続きを読む

ドラゴンボールZ 復活の「F」(2015年製作の映画)

2.5

前作以上にハチャメチャが押し寄せてきててタイヘンなことに。過去キャラの復活にさらなる変身、記号的な戯れと様式の反復に終始している。映画として最低限の体裁をとりつくろう気配すらうかがえない。が、開き直っ>>続きを読む

ドラゴンボールZ 神と神(2013年製作の映画)

1.0

『ドラゴンボールZ』を作らねばならない東映スタッフと、もはや『ネコマジンZ』(的なもの)しか書けなくなった鳥山明の齟齬がそのまま顕れているようなチグハグさ。結果的にはギャグも(そんなものがあるとすれば>>続きを読む

坊っちゃん(1953年製作の映画)

3.0

岡田茉莉子目当て。基本的には配役の妙を楽しむ映画。小沢栄太郎の山嵐、森繁久彌の赤シャツ、浦辺粂子の清など、アクの強い役者たちがピタリとハマる。佐藤允や中谷一郎が喜八映画のごとく血気さかんな学生を演じて>>続きを読む

1999年の夏休み(1988年製作の映画)

2.0

ドイツの少年たちを描いた1974年の漫画を、1999年の日本へと舞台を移し、少女たちを起用して1988年に実写化。この倒錯感がモロに表面化しておりヤバい。ショートパンツとガーターリングが組み合わされ、>>続きを読む

つかのまの愛人(2017年製作の映画)

3.5

ガレル版『ペルソナ』? わりと等身大のジャンヌにたいして、アリアーヌの安定しない肖像が異様すぎる。得ていた愛を失ってしまう女と、失ってしまった愛をとりもどす女が交差するつかのまの交歓。若い娘は別々の入>>続きを読む

レ・ヴァンピール -吸血ギャング団-(1915年製作の映画)

3.5

たしかにメリエス×リュミエール(by アラン・レネ) なのかもしれないが、劇映画でここまでモンタージュに頼らない話法は慣れるまでしんどい。この時期のフランスで、グリフィスはどういう扱いだったんだろうか>>続きを読む

高原の情熱(1944年製作の映画)

4.0

ストーリーもキャラクターもロケーションもすべてがほどよくイカれている。狂騒的な仮装舞踏会がクライマックスだと思ったら夜道の爆走運転がクライマックスだと思ったら要塞みたいな建設現場での生と死の交錯がクラ>>続きを読む

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

3.0

無自覚な差別意識がいまもなお根深く残る白人コミュニティのカリカチュアなんだろうけど、後半の飛躍にはさすがについていけず。現代においてこの種の寓話めいた話は、時間と空間を厳密に限定することでしか成立しえ>>続きを読む

ミッドナイト・オブ・マイ・ライフ(2015年製作の映画)

2.5

マーティン・フリーマンが晩年のスティーブ・マリオットを演じているショートフィルム。監督は『さらば青春の光』のチャーキー。これ誰得のコスプレなの?と思いググってみると、マーティン・フリーマンってモータウ>>続きを読む

新しい遺言(1936年製作の映画)

3.5

同工異曲の室内劇。たぶんこれも自身の戯曲の映画化。映像的な見所には乏しく、冒頭の車内の夫と妻のカットバック、ドアベルをステッキで長押しするシルエットのパンくらい? 自分の人生経験が貧しいせいか、ギトリ>>続きを読む

気ままな情事(1964年製作の映画)

3.0

アホすぎる。他人は自分を写す鏡とはよく言ったもので、浮気してしまった夫が妻のささいな言動にもつぎつぎと不貞の影を読みとって暴走していくというコメディ。妻を見張る夫→を訝しむ妻、と視野が広がることで倍増>>続きを読む

雪崩(1970年製作の映画)

3.5

原題が主題。ほとんど状況説明がなされないせいで、自己目的化した逃亡劇を観ているような謎の不条理感に襲われる。そのいっぽうで、ヘリコプターの大接近やら畑(?)の大炎上やらは、有無を言わさぬ迫真力(っつー>>続きを読む

刑事ラヴァルダン(1986年製作の映画)

3.0

推理小説の映像化を100分以内にまとめつつ、「まなざし」の装置をあちこちに散りばめる手際のよさ。現場検証のための俯瞰ショットがちゃんと隠しカメラの存在につながっている映像ならではのミステリ的フェアネス>>続きを読む

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