yksijoki

AMY エイミーのyksijokiのレビュー・感想・評価

AMY エイミー(2015年製作の映画)
3.7
私をちゃんと知れば世間もわかるはず、私は音楽しか才能のない人だって。だから放っといて。私は音楽をするの。音楽をする時間が必要なの。

この言葉がすごく彼女自身を端的に表していてかつあけすけで鋭い彼女らしい言葉だと思った。ホームムービーのようにたくさん映像を撮っていて映画内でもギグをするシーンやレコーディングのシーンなどが出てくる。観ていて思うのは本当に歌うことにまっすぐ向き合っているし、ジャズに対しても真剣でリスペクトを忘れない人だと感じた。

ドキュメンタリーでありがちな関係者が立派な椅子に座ってインタビューを受ける映像もほぼなくて、語っている最中もエイミーが写っている写真や映像がバックで流れている。冗長にならずでこの辺りの構成は流石。

最後「もう一度戻れるならもっとゆっくり生きる、絶対に…」と言ってたし、トニーベネットも「生き急ぐな、生き方は人生から学べる」と最後に言葉を残していた。

ストレイトアウタコンプトンなんかでも思ったけど商業音楽というものが孕む属個人的であることと金額規模が大きすぎること、ファミリーマネジメントによる公私混同や利権問題などは本当に課題だなと感じる。

彼女にとって音楽は心の支えであり、薬みたいなものだったのだと思うしそんな音楽が彼女を苦しめ、もし憎んでいたとしたらそれは我々を含む周りのせいだ。R.I.P...
yksijoki

yksijoki