ノラネコの呑んで観るシネマ

ブレンダンとケルズの秘密のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ブレンダンとケルズの秘密(2009年製作の映画)
4.5
トム・ムーアの2009年の旧作が、ようやく劇場公開。
8世紀のアイルランドで作られた、美しい聖書の手写本、「ケルズの書」の誕生に纏わるファンタジックな物語。
とっくに海外BRで観ちゃってるけど、やはりこれは劇場スクリーンのスケールでこそ生える。
バイキングの脅威に晒され、存亡の危機にある社会を舞台とした、二つの理念の対立。
キリスト教と土着のケルト文化が融合した表現は、ある意味デザインとしてのアニメーションの究極系。
「まんが日本昔ばなし」にもにも通じるアニミズム的世界観の切なさと優しさは、日本人の心の琴線に触れる。
「ソング・オブ・ザ・シー」に感動した人は是非。
丸を基調としたキャラクターデザインの可愛さは本作も共通だし、今回は特に猫キャラが大活躍だ。