グラビティボルト

ビッグ・リーガー Big Leaguerのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

ビッグ・リーガー Big Leaguer(1953年製作の映画)
4.5
監督一本目にして、傑作をモノにするアルドリッチ、格好良い!
最後の観客席で喚くオヤジ共の熱狂とか、既に「ロンゲストヤード」の片鱗が見え始めてるし、バスで去ろうとした男が女の元に走り戻るショットの的確さ。見事。女の背中で男を隠す辺りが得に。

自信満々な投手志望の選手を不合格にするシーン、クールに捨て台詞を吐いて去っていく彼を
ロビンソンナメで捉えた縦に長い構図が冴える。
投手の彼は遠退いていくがフレームアウトしない。
最後まで背中が未練たらしく映る。
だから再会する終盤の高揚感が光る。
どのシーンをどのアングルでどう撮るか、どういう方向に映画を持って行きたいか?を決めるのが映画監督なんだとしたら、アルドリッチはやはり天職をモノにしてたんだろうな。