うえ

ラ・ラ・ランドのうえのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞最多6部門受賞ということで期待大で鑑賞。


また素敵な映画に出逢うことができた。
夢と愛が詰まったストーリーはさることながら、音楽もとても素晴らしかった。

女優を目指し何度もオーディションを受けるが思う結果が得られないエマストーン扮するミア。
ジャズに情熱を抱いており、いつかはピアニストとして自分の店を開きたいと願うライアンゴズリング演じるセブ。
二人の夢追い人が偶然の出逢いを果たし、その後夢を叶えるまでを描くサクセスストーリー。
ミュージカル映画なので、周りを巻き込みながら歌い踊るシーンが多々あるが、スポットライトはあくまで二人に当たっており、他の登場人物がほとんど印象に残らないほどに「二人だけの世界」が描かれていた。

名シーンはたくさんあるが最初と最後がとても印象的だった。

まず、冒頭の高速道路でのダンスシーン。
これは「最高」の一言。
これまで観てきた映画の中で一番印象的なオープニングだったと思う。

*ここからネタバレ
ラストシーンは哀愁漂うものとなっていて、ハッピーエンドの中に切なさを感じた。
それぞれの夢を追いかけるために離れることを決意した二人が5年の時を経て再会するシーン。
著名な女優となったミアは結婚して子どももいたがその相手はセブではない。
そんなミアが夫と偶然立ち寄ったジャズバー、店の名前は「セブズ」。
もしやと思い店の中を見渡すミア。
目が合うミアとセブ。
セブは言う「ようこそセブズへ」
そして、セブが演奏し始めたのはミアとの思い出が詰まった曲だった。
曲と同時に、もし二人が離れ離れにならなかったらという if 物語が始まる。
もし、あのときこうしていたら
今二人は隣にいたかもしれない。
そんなシーンの連続が、出逢いから今に至るまで描かれる。
そして曲が終わると同時に、現実に戻る。
そんな「もし」はないのだと。
それでも夢を叶えた二人が確かにそこにいた。
店を出る直前に振り返るミア。
二人は見つめ合い、そして微笑み合う。
言葉は交わさずともきっとお互い同じ気持ちだったはず。
「ありがとう、君がいたから頑張れた。
そして、おめでとう、お互い夢が叶ってよかったね」と。

完全なハッピーエンドではない分、万人受けする映画ではないかもしれません。
それでも
夢を持つことの素晴らしさや
人生とは一瞬一瞬の巡り合わせだということを
音楽を通して教えてくれる
そんな素敵な映画だと感じました。

ジャズやミュージカル映画に精通している人はもっと深く味わうことができるかもしれません。
でもそれ以外の人たちも
むしろ普段ミュージカル映画をあまり観ないという人にこそ
おすすめしたい映画史に残るであろう名作です。
うえ

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