どん

ラ・ラ・ランドのどんのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
3.9

ミュージカル映画か…

うーん。突然歌いだして、ダンスやろ…
タイトルもなんかダジャレみたいやん。

あ、でもアカデミー監督賞獲ってんの?
主演女優賞も?…他もたくさん受賞…

ふーむ…

ポチ


ほらぁもうやっぱり冒頭からいきなりその
「突然歌い出す」と「ダンスする」の
オンパレードですやん…
もーボンネットにもガンガン乗っちゃってるし…


んー…?

ほぅ…

しかしこの序盤から色使いや音とダンス、
そしてカメラワークを計算し尽くした動き、
画角の広い使い方などなかなか
すごいこだわりが見えてきてちょっと方針転換。

よーしどんなもんか見てみようじゃないの。



物語としてはそれぞれが夢を追う2人の恋愛映画。

目新しさはないような気はするけど、
特に前半にミュージカルパートをグイグイ
差し込みつつジェットコースターのように
観客を乗せていく。

ミュージカルパート自体も、
そこまで考えていたほどには見てる方が
恥ずかしくなるようなカンジはなく、
音楽のメリハリと演者たちの技量もあって、
けっこうすんなりシーンに溶け込んでるというか。


後半での伏線回収のトリガーになる部分を
いくつも仕掛けてあって、気づくと
もう1度最初からじっくり見たくなってくる。
うまい。

そしていよいよ後半エンディングでは、
「もしもあの時こうしてたら…」っていう流れを、
視点も、感情もグルグル回しながら、
スピーディかつオシャレに、さらにカタルシスを
しっかり持たせつつ怒涛のエンドロール。

最終的に爽快感もありつつ甘酸っぱい、
ほろ苦いテイストも残るというさすがの
作品でした。

いやー、イメージで躊躇せずなんでも
見てみるもんですね。素直に拍手。

音楽も良かったからサントラも聞いてみよ…


めちゃめちゃ気に入ってるやん…

「ミュージカル映画」ってことで避けてるアナタ。
一度ご覧ください。



--------2021.1.23追記--------

2度目にして初。劇場で鑑賞。
T-JOYドルビーシネーマ!
音が!ゴージャス!

トランペットの高音域でほっぺたが
ブルブルふるえる!

もしかしたらドルビーじゃなくて
お正月に食べすぎたせいかも!

オホン。えー。
やっぱり素晴らしい!
ノスタルジックな導入部から
一気に広がるLAのフリーウェイ。
オープニングの画角・カメラワークがもう圧倒的。
演者それぞれのステップや車から車への飛び移り、
マウンテンバイク スケボーの着地のタイミング。
ほぼワンカット撮影のこの長さこの人数で、
音楽ときっちりシンクロさせてる。
どれだけ準備したんやろ。
天候や風の強さ衣服のはためきまで考えるとしたら…
おっそろしい。

あらためて色彩も光の陰影も、
全編通じて画作りへのこだわりが強烈。
うー、ここまでくると字幕の文字の白ささえ
目立っちゃうほど。
監督が意図した イメージしたとおりの、
日本語字幕がない状態で、そして吹替なしで
いつか…いつか見てみたい。
英語ができれば、とひさしぶりに悔しくなった。

そしてエンディングはやっぱりせつなかったなー。
エンドロールが始まるとセブがピアノで
「Another Day Of Sun」を弾き、その後ミアが
「City Of Stars」をハミング。

エンドロール中のBGMではあるけど、
多分これは最後のシーンでのセブの笑顔の後、
それも数年後ぐらいに2人がそれぞれの生活の中で、
ふとお互いを想いながら奏でた曲のはず。
象徴的なこの曲名もきちんとお互いの未来を対比させてた。

映画館では誰も席を立たず最後の余韻まで
じっくり静かに浸れたなぁ。

そのおかげで今回見て初めて気づいた
スタッフロールの一番最後。

一瞬しか映らなかったけど、
名前表記の段組みをわざわざ変えて、
2人があの頃想い描いてたであろう
パリの凱旋門のシルエット で
文字をきれいに並べてあった。

かつてLA•LA•LAND…ロサンゼルスから
思いを馳せた聖地フランス…パリ。
想いをそっと静かに封じ込めるかのように。
ほんと最後までお洒落やん(ためいき)

劇場で見る機会があればぜひ。
ドルビーシネマならなおよし。
没入感色彩感音圧お肌のプルプルまで
たっぷり堪能できます!
オススメ!
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