真田ピロシキ

インクレディブル・ファミリーの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

2.5
マッチポンプ。

スーパーヒーローに対する批評性は批判しているフリだけだったBvSやシビルウォーより真剣味がある。活躍するための犯罪が起きるのを心待ちにしているかのようなイラスティガールや隠せていないインクレディブルの父権制、仮初めのコスチューム姿こそ本当だと煽てられ良い気になってるB級ヒーロー達。それらは風刺を発せられているように見える。だけどそれを世界で一番スーパーヒーローを売り物にしているディズニーが言ってもお前らが言うなと。私達は批判的な意見も尊重してますというポーズなんじゃないの?

ヒーローを求める人々は何もしない。助けを求めそれを娯楽として消費し堕落していく。そう言ったスクリーンスレイヴァーはヴィランとして敢え無くお縄につきヒーローは法律で正当性を保証されましたやったね。…って。ピープルよ立ち上がれ!ヒーローを全否定しなくてもいい。でも安直に頼るな!最後までそういう視点に辿り着けなかったこの話は大したものと思えません。

自分のヒーローに対する見方がバイアスかかりすぎなのは自覚してますし、ディズニーピクサーのアニメにそこまで重さを求めるのも筋違いなのでこれ以上悪くは言いません。スパイダーマンだったりファンタスティックフォーだったりX-MENなビジュアルはただ見てる分には楽しいですし。でもね、ヒーローなんぞより赤ん坊までいる3人の子供を主夫として育てる方がよっぽど大変だと疲れ果てたインクレディブルやありのままの自分を見せるヴァイオレットをもっと描かれた方がずーっと良かったよ。