らっく

LION ライオン 25年目のただいまのらっくのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

インドでは毎年8万人の子供が行方不明になるという。
誘拐か、捨て子か、人身売買か。前半は目を背けたくなるシーンの数々。
そんな中、正真正銘の迷子。恐らく最も賢く、最も幸福であったであろうひとり、サルーの実話。

夜通し働くという兄についてくるも、起きていられず駅のベンチで寝てしまう。
待っているように言われたのに、兄を探して電車に乗る。
着いたのは同じインドでも言葉も違う遠い遠い街。そこではたくさんの危機を乗り越えて、ある日オーストラリアの夫婦の養子に選ばれる。
異国で立派に育つも、兄が、お母さんが自分を探しているのではという想いを捨てられない。
でも、迷子になったのが幼すぎで、自分は誰なのか、自分の家がどこなのか、答えは薄れていく記憶にしかない。

ラストは、ハッピーエンド。それなのにとても切ない。罪の意識にさいなまれ弟を探し回ったであろう兄を思うと涙が止まらなかった。戻ってくると信じひとり過ごした母の想いに、そして育てた息子の想いを大きく包み込む育ての両親の優しさに、感動。

はて、映画のタイトルはどこから?の疑問もちゃんと解決してくれた。
でも、ちょっと笑った。
らっく

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