Tully

LION ライオン 25年目のただいまのTullyのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

執念の一言に尽きる。しかも母も息子がいつ帰ってきてもいいように 「ガネッシュ・トレイ」 の近くを離れようとしなかった。母と息子の絆は見えない糸で繋がっている。物理的な糸ではないので、距離によって細くなったり太くなったりすることはない。或いは切れたりしない。「育ての母より生みの母」 というわけではない。「サルー」 自身としては 「自分のルーツ」 が知りたいのである。どんなに遠くの異国にあっても郷愁の念は誰にでもある。5歳に故郷を離れてしまったサルーにとっては強い想いがあったはずである。感動の再会では、当然泣いてしまったのだが、今までの涙と違っていた。通常目頭から流れるのだが、溢れた涙が目の真ん中から流れた。よくアニメで見られる号泣シーンのような涙の流し方でした。私も作品を観て何度も泣いたことはあるが、今回は初めてと言っていいくらい記憶にない泣き方であった。決して忘れることのない感動の作品である。ラストに衝撃の事実が。サルーの兄 「グドゥ」 は、サルーと生き別れにあったその日に別な列車に跳ねられ死亡していた。また 「サルー」 という名は聞き間違えで、本当は 「シェルゥ」 が正しい発音なのだそうだ。それはヒンディー語で 「ライオン」 という意味だった。
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