たいてぃー

LION ライオン 25年目のただいまのたいてぃーのレビュー・感想・評価

3.3
前半は、迷子になった主人公サルーの行く末を案じながらの鑑賞で、この子を強く応援したくもなり、結構、楽しめた。はぐれ先で最初に声を掛けた女性(高橋メアリージュン似)とのやり取りがハラハラ感があって、いい。彼女の部屋で飲むビンのジュース。昔の日本でも似たようなのがあった。二人の距離を縮める、いいアイテム。彼女は、善人か悪人か?
宗教関係の団体が寝ているすきに供え物を頂戴する。冒頭のシーンでも兄と一緒に、石炭を盗むってのもあった。悪いこととはいえ、この状況であれば、同情してしまうよね。この宗教団体の風情もいい。インド人の宗教に対する敬虔さもよく分かる。
後半はやっぱり、ストーリーが分かりやすいこともあって、もの足らない。大げさな音楽、フラッシュバックが多すぎも、好きになれない。
それでも、恋人役のルーニー・マーラのさりげない演技が嬉しい。義母役のニコール・キッドマンも熱演。だが、若い頃の電気ショックの件は、違和感が相当ある。本人の体験を忠実に表したのだろうが、必要だったのか?
テレビの「アンビリーバボー」でストーリーは、ほぼバレてるし、タイトルの「LION」の意味まで言っちゃってるので、劇場で観る価値も半減か。でも女優たちの演技を観るだけでも十分ではないか、とは思うが・・・。