片田舎に住む美しい娘エルザは、父ヒューゴと二人暮らし。
ある日、道に迷ったヒューゴは、偶然辿り着いた人けのない古城で一夜を明かし、翌朝エルザへのプレゼントにと、園庭の美しいバラを一輪摘み取った。
その瞬間、野獣のような唸り声と共に恐ろしい姿をした男に襲われてしまう。
必死で助けを求めるヒューゴに、男は非道な交換条件を言い渡した。
誰もが知るラブ・ストーリーの金字塔。
ドイツ版『美女と野獣』です。
全体的に明るい映像。
最後の結末まで牧歌的ですんなり納得できるストーリー。
ハッピーエンドであることは知っているが、どのように話がすすむのかとドキドキしました。
フランス版の『美女と野獣』もあるが、ドイツ版の『美女と野獣』の方が風景や内容がほのぼのして好みです。
お城とか森とかビーストなんてのは、イタリアフランスより、ドイツのうっそうとした感じがちょうどよかった。
まぁ内容的に一番好きなのはディズニー版ではありますが…。
ドイツ版のヒロインはベルではなく”エルザ”という名前で、村の居酒屋の一人娘。
美人でしっかり者だけど、スペシャルなかんじはなく素朴な田舎娘。
ネットの口コミ情報なんかをみていると、ディズニーのストーリーと違うという理由で、あまりよくない評価も見かけるけど、個人的にはこれはこれでありだと思っています。
イメージと違うと受け付けない場合もあるけど、色々なパターンがあっていいと思うんだよね。
この映画、ディズニーのストーリーに比べて、少しリアルな割り切り感がある印象。
年月を経て埃の被ったお城の中の様子や、当時にかなり忠実であろう雰囲気の衣装、ネックレス類に至るまで、非常にリアルです。
エルザが文字が読めない設定も、貧しさを示していてよかった。
個人的には、野獣の城にいる男女の召し使いが面白くて好きです。
ただ、召し使いが二人だけなのは寂しいかなと思いましたが。
なんで、あの2人だけが王子と一緒に変身したのか・・・
あとは、エルザが段々心を開いていく様子が、少し急ぎ足のようにも感じましたが、フランス版ほどではないです。
でももう少し、エルザと野獣の交流に日があっても良かったかも。
あと、実写版だけに幻想味がなく、野獣のメイキャップも中途半端で、CGの技術も秀逸とは言い難い感じではありました。
ついでにいうと、ディズニー版やフランス版に比べて、美女の美女としての質がちょっと落ちるかなと…。
いや、もちろん美女なのは間違いないんですけどね。
『美女と野獣』の実写はけっこうあるので、見比べるとそれぞれの良さが有って面白いですよ。