Kuri

たかが世界の終わりのKuriのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
3.6
同じくマリオンコティアール出演"マリアンヌ"で彼女が口にする"ケベック人"というセリフを聞くたびに、この作品の監督、才能溢れる若きケベック人を思い出してました。
サスペンス、家族物と続けてきたグザビエドラン監督が、山田太一的なホームムービーを撮った今作は、なんでも撮れるしなんでも自分色に染め上げる持ち味全開。カンヌグランプリも納得です(良くも悪くも)。

引きがほとんどないバストアップでの切り返しでとめどなく家族間の言い争いが続くだけなのに、楽しめるのは、効果音の処理や映像の挟み込み方や視線に気を使って、言葉の外にある表現の意味を考えさせるように仕向けられているから。

唐突に今ではダサすぎる曲が爆音で鳴り響いて、あっけにとられてしまいましたが、しばらくしたら大爆笑。
登場人物たち全てがギリギリなので息が着けなくなりそうな中ですっと笑いを挟んでくるケベック人が小憎らしくも頼もしいです。
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