おなべ

フィフティ・シェイズ・フリードのおなべのレビュー・感想・評価

3.5
あの頃の官能ロマンティック・ラブストーリーはどこへ行ってしまったのか。今作はシリーズ全3編からなる最終章。2作目である『フィフティー・シェイズ・ダーカー』から徐々に作品の方向性がぶれ始め不安を感じていたが最終章を迎え、いよいよ本来の優美で官能的なラブストーリーの作風は消え、B級アクションを展開するネタ路線に突入・昇華してしまった。

晴れて夫婦の身となったグレイとアナは順風満帆な新婚生活を送っていたが、そんな2人の元に新たなる危険が忍び寄る。

前作に引き続きアナ役を《ダコタ・ジョンソン》が、グレイ役を《ジェイミー・ドーナン》が演じる。監督は《ジェームズ・フォーリー》が務める。

原作が世界的大ベストセラーで多くの女性ファンが存在、『フィフティー・シェイズ』ブームまで巻き起こった。そんな中、制作された本作はアメリカの映画情報サイトのIMDbでは観客評価が4.5/10という微妙な点数。個人的には妥当な点数であると思う。原作は未読だが、この作品の良さは官能的なラブストーリーやロマンティックな恋愛悲喜劇であると思う。しかし、2作目以降の映画では変にその他の路線にまで手を伸ばし、軸がぶれてしまった結果、本来の作品世界の魅力が失われてしまったと考える。勿論、本作にも官能的描写は多くのシーンで展開されていたが、それ以上にあまりにも強引で何の捻りの無い結末に不完全燃焼に終わった。

ただ、ある人にとっては色んな意味で“良い映画”である事は間違いない。
おなべ

おなべ