エンドロールの2曲目の歌が、この作品の世界観に合っていてよかったです。
本編中では色々な要素が程よく絡まっているので、その分ラストがバッサリと終わっているように感じます。
そこにあのエンディングソングが入ったことで、作品全体の雰囲気をうまく纏めてくれて、「映画を観た」という満足感を味わわせてもらいました。
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私は数年前に原作を読んで、今回が初視聴です。
原作を読んだときは「個性vs同調」という一言で片づけられる作品かな、と少し期待外れでした。
ですが、映像化されると百合ものとしての良さに気づかされます。
(自分が当時よりオタク文化に染まっただけかもしれませんが笑)
百合で気になるのはトァン、ミァハの友達だったキアンちゃんです。
彼女はプロットにおいては、起承転結の承に強く影響を与えています。
また、百合としても、ミァハに追いつけるのはトァンだけだと強調するキャラにもなっています。
学生時代は三人で世界が完結していますが、実態は作中を通してトァン×ミァハに終始しているんですよね。
こういう複数の要素に影響を与えるサブキャラを用意できるのが凄いですね。
なんだか『屍者の帝国』からは段違いの出来栄えです。
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メインテーマは、やはり「個性vs同調」でしょう。
同調に関しては、誰もが他者に優しい世界とか、全ての人類を何も感じられなくするとか、作中でも有り様が色々と変わっています。
そういった変化がどういうメッセージを孕んでいるのか、とても気になります。
劇中ではあまり描かれなかった、HTML的な記述のギミックと合わせて、どう解釈するべきなのか。
また原作を読み直してみても面白そうです。
今ならプログラミングもできるし、より一層正確な解釈ができそうです。
大体、いつだってロシアかアメリカか中国が悪い。