予想の26倍は良い作品でした。
こういうアニメの付け足し映画って大体「すこし長めの当たり障りないOVA」になりがちです。
しかし、この映画は違います。
遥か昔の10種族戦争を描く中で、
どうして先の戦争で人類が勝てたのか。
神話の世界からいる本編登場人物達は何をしていたのか。
なぜ、テトは本編で引きこもり二人を選んだのか。
など、TVアニメでは語られなかった、想像するしかなかった物語を観ることができます。
もちろん、本編のストーリーに直接影響が出るような描写はありません。
しかし、この作品を観る前と観た後では、確実に主人公達に対する印象が変わります。
それに、なにより面白いです！
たしかに、機械種族が人と心を通わせることで心を得る。
そして繋がりと別れを描くというある意味でチープなストーリーかもしれません。
しかし、その中に本編から受け継いだキャラクター性・弱い人間ならではの戦略が混じり合って想像の少し上を行くプロットになっています。
戦時下の二つの魂が再び出会い現代の二人になった…なんてストーリーは一本の映画でやるとパンクしますからね。
本編の流れを汲んだからこそ作れた物語だと思います。
テレビ本編ではキャラクターの描写が下品で、画面もがちゃがちゃしていたのに
こんな隠し玉を潜ませていたとは……
