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マドモアゼルのcoroのレビュー・感想・評価

マドモアゼル(1966年製作の映画)
3.6
不安から発生する群集心理や同調圧力の怖さを魔女狩りになぞらえて描かれた物語。

舞台はフランス中部の小さな村。この村では最近、不審な出来事が相次いで起きている。犯人は村人からマドモアゼルと慕われている女性教師。この魔女のような女性をジャンヌ・モローがいつものポーカーフェイスで淡々と演じているのにピタリとハマっている。どんな役柄を演じさせても、すべてを彼女色に染めてしまうところが彼女の凄いところ。





以下ネタバレ

マドモアゼル。喪に服すことのない黒いレースの手袋を身につけ、夜な夜な村を徘徊しては自らが放った炎や水や毒で、毎夜黒い瞳を揺らめかせている。
彼女の澱んだ純潔が垣間みせる仕草(花冠や花びらの涙)や、死の松明が近づいているというのに、蛇を操る男と雨に打たれながら繰り広げられる一夜限りの狂乱を、禍々しくも美しく見せる辺りの描写が怖い。
村人たちに見送られながら去っていくマドモアゼルと、彼女を蔑みながらも、母の面影を重ねて彼女を許す少年の精一杯の抵抗が物哀しさを誘う。
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