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サクラメント 死の楽園のhi1oakiのレビュー・感想・評価

サクラメント 死の楽園(2013年製作の映画)
2.7
どうなんだろう? 結構肩透かしくらった人多いのでは…? まぁいつもの“イーライ・ロス・プレゼンツ”と言ってしまえばそれまでなんですけどね。
イーライ・ロスってやっぱり監督なり脚本なりをやっている作品に関しては全幅の信頼をおけるんですが、やはり製作に回ってしまうと仲間に甘いのかなー…と。
POV(あるいはモキュメンタリー)であることの必然性・整合性を選んだ結果、ロクに人間性を掘り下げられないまま殺し殺される人達に対して、怒りも悲哀もあまり感じられない作りになっちゃってるんですよね。その辺が今まさに公開されているロスの監督作「グリーン・インフェルノ」という傑作とは180度と言っていいくらい違った。
この作品を観たいと思う人達のほとんどが、宗教という得体の知れなさや、狂信・盲信することの異常性、教祖という存在のカリスマ性といったものを、映画としてどうエクストリームに魅せてくれるのかという点に期待してるんだと思うけど、その期待にはほとんど応えてくれていないと感じました。コミュニティの“楽園じゃない”部分が台詞でしか説明されないから「え?この人達はそんなに悪いの?」って感じだし、終盤の林の中のチェイスや監禁されるくだりは絶好の見せ場になるチャンスなのに、そこをあえて放棄しているのは理解できませんでした。グロとかエロを盛れと言っているわけではなく、そこを回避するからにはそれを上回る重たい演出でイヤーな味を出してくれることに期待していたんですよね。
事実をベースにしているとはいえ、舞台を“現在”にアップデートしている以上、もっと脚色する余地はあった筈。(もとの話に詳しくはありませんが)これはよくできた再現VTRでしかないのでは?
語ろうとしていることは充分に怖いことなのに、それを怖いと感じさせてくれなかったのは残念。特に効果的でもないPOVよりも、しっかりと人間ドラマとして描いてくれたほうが震え上がらせてくれたんじゃないですかね。
嗚呼物足りない!

でもバッジ貰えたので採点甘し。
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