Hally

ヴァレリアン 千の惑星の救世主のHallyのレビュー・感想・評価

3.8
目からキマる、まさに劇薬映画!

デヴィット・ボウイの「Space Oddity」で始まるオープニングから気持ちをぐっと持っていかれる。そこに鮮やかな色彩がバシけまくる。それを目から取り込めばまさに病みつきになる。その色彩のうえでカーラとデハーンのコンビが"浮いて"暴れるのだから最高としか言いようがないだろう。

"浮いて"と表現したのは良い意味でも悪い意味でもCG過ぎるからだ。オープニングが明け、2人が登場すればまさに浮いてるといった印象を受ける。カーラの美しさで違和感なんてどっかへブッ飛んでいったのだが万人がそうとはいかないだろう。それに加え、公開当初から酔った勢いで脚本書いたんじゃないかと言われるている。確かにちょっと無理がある展開の仕方をする。世界での評価が低い要因になっているのは上記の2つが挙げられるだろう。私にとってはカーラが暴れるうえに見てて気持ち良くなれる鮮やかな映像で大変満足なのだが…。

監督にとって今作は実現を望みながらCG技術が追いついていないという理由で長年我慢してきた作品だ。フランス映画史上最高の製作費198億円を掛けて作ったのに脚本に手を抜くだろうか…。実際のところ監督は脚本を書く際、「全種族に10〜50ページのバックストーリーを書いた」と語っている。限られた時間の中で全種族のバックストーリーを取り上げるなど不可能だろうし、そこまで広がってしまった自身のアイディアを上手いかたちでまとめるのは至難の技だろう。事実 大赤字で自身の製作会社の経営を傾けてしまった。映画の難しさを改めて感じる。シリーズ向きな作品なのでして欲しいが厳しいだろうな…。頑張れベッソン監督。私は大好きな映画。


ちなみに Netflixは今回の件で傾いたベッソン監督の製作会社の買収協議してます。Netflixがまた強くなる…。Netflixでの続編でもいいので頼む。
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