Ryoko

無頼漢 渇いた罪のRyokoのレビュー・感想・評価

無頼漢 渇いた罪(2015年製作の映画)
3.4
容疑者逮捕への執念が強過ぎて、近づくものをすべて傷つけてしまいそうな尖りに尖った刑事の男が、盛りを過ぎたが美しい容疑者の恋人を好きになり苦悩していく話。結局、惚れた方が負けなんですね。刑事は女を、女は容疑者を愛してしまったが故にどんどん堕ちていく。見所は薄幸な役が板につきすぎているチョン・ドヨン。傷つき心身くたびれ果てているのに、それでもどこかで幸せを求めてる女性。
無駄な音楽を一切省き、静寂のまま淡々と進んでいく演出は、王道の韓国映画とは一線を画していると思う。起伏のあるストーリー展開が好きな自分は少し物足りなく感じてしまった。一番好きなシーンは、路地裏で密会したチョン・ドヨンと容疑者の無音のキスシーン。まるで一瞬時が止まったような感覚。切なくて色っぽくて良かった。それから、「新しき世界」で嫌らしい敵役を演じているのを見てからどうも苦手なパク・ソンウンだけど、今回のちょっと悪どさをおさえた演技は渋くてとても良かったと思う。
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