ぴろぴろ

サウルの息子のぴろぴろのレビュー・感想・評価

サウルの息子(2015年製作の映画)
3.9
アウシュヴィッツで起きた事について詳しく知ってるわけではなくても、ボヤけた映像が、そこで何が起きていたのかを雄弁に語る。
ハッキリ見せない事が、かえって積極的に見ようとして来なかった自分を見透かしているようにも感じた。 そして、ハッキリ見えないのに画面に釘付けになる。
同胞であるユダヤ人の死体処理を行う特殊部隊「ゾンダーコマンド」に選抜されたハンガリー系ユダヤ人サウルの視点で描かれる、わずか2日間の出来事。
扉の向こうの阿鼻叫喚の地獄絵図は、犠牲者の今際の際の呻きに、容易に想像出来る。 匂いまで感じる程に。
サウルは最後の瞬間に、生気のある少年を見て救われたんだと思った。 ずっと眉間にシワを寄せながら鑑賞して、ラストは私も救われるような胸に刺さる表情だった。
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