とがり

サウルの息子のとがりのレビュー・感想・評価

サウルの息子(2015年製作の映画)
4.0
【ゾンダーコマンド】:強制収容所での僅かな延命と引き換えに、死体処理等の任務につく囚人たちの部隊

死体の山から見つけた息子の遺体。
ゾンダーコマンドとして働くサウルは、息子の遺体をできる限り手厚く埋葬するため、収容所を奔走する。
愚直とも思えるサウルの必死さが、ほぼサウルしか映さない特徴的なカメラワークを通して痛いくらい伝わってくる。
それが地獄の底で余命を啜るサウルの、最後に残った人間性の欠片だとでもいうように。

パッケージの通り、観るのがつらくなる傑作。
物語の最後でサウルが見せる表情に、心臓を焼かれない人はいないだろう。
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