takanoひねもすのたり

シャドー・オブ・ナイトのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

シャドー・オブ・ナイト(2018年製作の映画)
3.6
昨夜眠れなくて観始めたんですけど、いつの間にか寝落ち→起きる→寝落ちを繰り返してて。
で、続きから観るじゃないですか。
それが3回とも何故か牛骨のシーンから再生されるんですよね。ボーンな感じの奴がぐっさり胸に刺さってるトコ。
Netflixそんなにそのシーンを見せたいのか、そうなのか 笑
ということで牛骨すら武器になるゴア満載アクションバイオレンス物です。

いつの間にか意外に監督作を観ていたティモシー・ジャヤント。自分の中のインドネシアのイメージって、もしかしなくてもこの監督さんと「ザレイド」のせいかも知れないとふと思いました。

物語は、ひとりの幼女を助けたばかりに、東南アジア最大の密輸組織トライアッド(日本では三合会)の裏切者となり組織から追われるイトウ(ジョー・タリスム)の攻防を描いています。組織が"6つの大海"という構成でイトウはそのひとり。その彼が裏切ったもんだから、野心のある奴はのし上がるために、そうでない奴もただじゃおかん!って組織をあげて刺客を送る、じゃんじゃん送る。

脇キャラがすごい良くてですね、まずイトウの仲間のボビーとファティなんですが。
イトウの留守中に襲撃を受けるのですが、多勢に無勢、無理は承知だ、でも幼女は守らねば!という男の友情が篤い!そしてこれがなかなか強い!いやもうボロボロなんですよ、ばんばん撃たれてるし、どう見たって即死!してるはずなのに…でも戦う。

それから敵キャラのレズビアンのアルマとエレナ。そして謎の女性キャラオペレーター。
後半彼女達の2対1のバトルになるのですが、累々と横たわる屍を背景に、血飛沫は上がる、首は切れる、指は折る、モツははみ出す。
凄まじきかな、女のバトル…笑

そもそも刺客は最初銃撃戦しかけてくるんですけど、いつの間にやら肉弾戦になっている。
使われてるアクションはプンチャック・シラットという武術らしいのですが、ぶっちゃけよく分かりません。
とにかくインドネシア人、丈夫だな…と心配になるくらい、骨が折れる、曲がる。叩き落とされる。
先程の牛骨もですが、何でも武器、板っきれ、棒っきれ、千枚通し、何かの破片、ビリヤードのボール。ざっしゅざっしゅ切って、刺して、振り回して、ぶん殴ります。
歯は飛ぶ、唾も飛ぶ、汗も飛ぶ、豪快に血飛沫も飛ぶ。

そして最後はイコ・ウワイス演じるアリアンとの対決。イコさんは「ザレイド」のシラットで記憶に残っているんですが、対峙するイトウがとにかく「お前どうやったら死ぬんだ…」という不死身疑惑がわくくらいのタフさで。
普通死んでます、とっくに死んでる。
でもここにくるまでボコボコのボロボロなんですよ、でも死んでない、どんだけタフなのか。
そして、この2人のバトルが。

カッターの刃!!ですよ!!!ほっぺた!!!
「死んでるやつは殺せない」の捨て台詞のよさ!
イトウ!!そして港での最後の意地。
イトウ!!!!!イトウーーーーーー!!!
また、彼なりの決着をつけるアリアンさんの最期もらしくて良かったですわ…。

公正に観るとゴアとアクションに全振りしているので物語はとりあえず筋が通ってればいいって感じなので、韓国映画みたいなストーリー性をも求める方には不向きです。
しかしただただバイオレンスに浸るには最高の作品。女性のバトルがかっこいいのも見所です。