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この世界の片隅にの79のレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.5
この作品は、公開する前にFILMAGAのこの記事を読んで知りました。
https://filmaga.filmarks.com/articles/938
能年が声優をやるって知って、絶対に見たくて。漫画の絵のタッチもすごく柔らかくて、主人公が可愛くて。で、予告見てみたらコトリンゴの唄に包まれて見える映像の現実との差がすごくて、悲しいけど、やりきれないけど、ってなって。

数ヶ月越しでやっと見れた。2017年の映画館一作目は本作。
一言めに出るのは、日本人として、この作品を見れてよかった。ってことかなー。すずさんのこと、知らないけど、能年の声が、すずさんをすぐに伝えてくれる。オーディションで即決まったって聞いたけど、そらそうだ。能年ってそれくらい魅力ある人だもの!
すずさんの人柄が、すごく愛らしくて、だからこそ、辛いことがあったときに、見てるともっと辛い。すごくこの人、好きだなぁ。人っていろんなこと考えなきゃいけなくて、その通りいっぱい考えて、社会とか、他人とか、優しさとか、関わりとか、哲学的なこと考えても、そんなんで暗くなって重くなって、それよりも、重い暗い考えることがあっても、楽しくいようよ!明るくいようよ!ってタイプだから、すずさんがすごく素敵な生き方をしてると思えた。

ネタバレで多くは言いたくないけど、はるみちゃんのシーン、描き方が面白い。演出、映像技術…まるで線香花火の火花。パチパチって、散って消えていって、また生まれていって。
あと、すずさんの声が重なるところも素敵。自分の声で振り返る感じ。主観の中に客観があって、そうやって気づいていく感じがうまいな〜。自分に問いかけてる時ってああだよね。

周作さんのキャラクターもすごく好きだった。これはもう原作の設定の域だけど、本当に、本当に、「この世界の片隅に、うちを見つけてくれてありがとう」だよね。この世界の片隅に生きてる私を、誰かが見つけてくれること、片隅と片隅にいる人が出会えることがあるといいな、と思ったよ。

並みの白いうさぎの表現が好き。何か失敗して「あちゃー」ってするときの顔が好き。絶望には希望もあるところが好き。2017年、楽しく、幸せを感じながら生きよう。!
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