2016.10.27 @ 第29回東京国際映画祭
わざわざTIFFで観る必要もないんだけど、このダサいくらい直球なタイトルが母親の愛情のことと知ったとき、早く観たくてたまらなかった。これ以上に勝る愛情はないよー。まさにいま必要としていた映画で、家庭という価値観が崩壊してしまった現代を嘆く邦画を観ては、そういうことじゃないんだよなーと感じていたモヤモヤを吹き飛ばす傑作だ。止めどなくボロボロ泣いたし、思い出して泣いた。銭湯の煙突に面影が残る昭和の面影のように、このちょっと古臭くてダサい人情劇はダサけりゃダサいほど泣けてくるんだわ。
形式的な家庭という価値観が壊れてしまったなら、帰る場所をつくればいいじゃない。「My Life Without Me (死ぬまでにしたい10のこと)」のように、自分のこと以上に家族のために彼女が残りの時間をどう過ごしたか。団欒の食卓でメソメソしてなんかいられないさ。
