Narmy

湯を沸かすほどの熱い愛のNarmyのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
3.7
病気に子供、観ていて心が痛くなる話は良い悪いに関わらず苦手なんだけど、この作品は生きることに意味と希望を持て、死という絶望を覆い隠してしまうほどの明るさと強さが根底にある為、観終えた後の余韻は身体中に染み渡るような温かさに包まれる。
ただ、観てる間は涙、涙、で終わった頃にはかなりの頭痛にはなるけど(笑)

夫が突然蒸発して1年、夫婦で営んでいた銭湯を休業し、パートをしながら娘の安澄と力強く生きている双葉。
前半は娘との絆だったり、少しぶっきらぼうだけど強くて温かい双葉の人間性がよく分かるストーリー展開。
何より宮沢りえと杉咲花の演技に目を奪われる。
双葉が芽生え、そこから栄養をとり大きなたくさんの花が咲いていくように、周りの人達は双葉から熱い愛を注がれ、繋がったくきから1人1人が花開いていく。
普段であれば嫌悪感しか湧かない駄目駄目な夫も、何故かその緩さが心地よくオアシスのような気さえしてくる。
夫のラスト付近のセリフには号泣😢

非現実的なところもチラホラあり、全てがこの通りにすればいいという訳ではなくケースバイケースではあると思うんだけど、それぞれの家族にはならではの決まり事があり、家族の中での母親という存在の影響の強さに身が引き締まる思いがした。

双葉の人生は思っていた以上に複雑。
生きている間にやらなければいけない事から目を逸らさず諦めず周りを包み込むような愛情を注ぎ続けそして何より強い。

言っておかなければならないこと、伝えなくてはならないこと、時間なんて無限にあるような気がして、またにしようと後回しにしたり、もういいかなと諦めてしまうこともある。
でも、いつどうなるかなんて分からない。
その時に後悔しないようにやることはやった伝えることは伝えたと思える人生にしないとな。
Narmy

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