しんごう

残穢 住んではいけない部屋のしんごうのレビュー・感想・評価

4.0
主人公達にアグレッシブな攻撃を繰り出してくる幽霊が出てきたり、それらを超次元パワーや肉弾戦で攻略しがちな傾向にある昨今のホラー映画界ではかなり稀有な粘着質でじっとりとした和製ホラー映画です。
具体的には大きい音と共に血塗れ長髪女や不気味な白塗り顔がバン!!みたいなジャンプスケアシーンがほとんどなく、全体を通して怪異のルーツを辿る『リング』や『ノロイ』のようなシリアスで小難しい雰囲気があるため、それらを退屈に思う人もいそうな内容の映画です。
原作小説が恐らく素晴らしいのだと思いますが、ストーリーの魅せ方が見事としか言いようがなく、最後まで何が原因でこの人は死亡したのか?その原因の原因は…?と謎が謎を呼ぶ展開。そして最後には全てが繋がるような構成には見入ってしまいました。
また、ラストの見せ方は非常に地味ですが、映像媒体ならではのホラー表現で製作者の拘りを感じて面白かったですね。これだけでも斬新で観る価値は十分にあると思います。
しんごう

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