しんごう

バブルのしんごうのネタバレレビュー・内容・結末

バブル(2022年製作の映画)
2.3

このレビューはネタバレを含みます

豪華製作陣を謳っていて…どうしてこうなった?感がある作品です。

先ず映像や作画は本当に素晴らしいです。荒廃した都市の自然や水の描写は鮮やかで綺麗ですし、主人公達のパルクールアクションは流石WITSTUDIOと言わざるを得ません。ただこれら全ての足を引っ張っているのはストーリーと舞台・キャラクター設定です。

ストーリーは単刀直入に言うと『人魚姫』です。作中でもそれを十分にアピールしているので、次の展開が誰にでも想像出来る安易なものになっています。それが最後まで覆される事も一切なく、何処か既視感のある演出の繰り返しでエンディングを迎えます。バブルの目的や正体と言ったこの物語の根幹とも言える問題は結局明らかにされず、雰囲気で察して下さいというだけなので不完全燃焼感も凄いです。

次に舞台・キャラクター設定ですが、少年達が命に関わるような場所でパルクール対決して縄張り争いをしてるというだけでも結構奇抜な設定なのにも関わらず、それらを始めたキッカケをCMでも言われてる『身寄りの無い彼等はこれが生き甲斐なんだよ』の一言だけで終わらせて、背景を全く描かないのは、ちょっと無理があり過ぎるんじゃないかと思いました。

他にも節々で突っ込みを入れたくなるような要素を舞台やキャラクターの設定にこれでもか!と大量に詰め込んでいて、それら全てが渋滞して酷く滑っているような印象を強く持ちました。
(反則装備且つゴール前フライング待機して相手チームを高所から蹴落としたのにそれをセーフとするガバガバなルール、明らかに弱虫ペダルを意識したようなユニフォームのチーム、ニワトリを脱走させて熱湯に手を突っ込む非常識行動かつ手から泡を出してるヒロインを変わった子だなぁと全く詮索しない主人公達のスルースキル、匂い付きスポンジ吸ったり機械音声で話す個性が強過ぎる人物など)

正直、個人的には本作は駄作としか思えませんでしたが、上述したように映像と作画に関しては本当に素晴らしいですし、それら突っ込み所満載の要素を共に鑑賞した友人と談笑しながら視聴出来て楽しめたので、それらを加味して☆2.3とします。
しんごう

しんごう