鉄男フーテンの3Dあーてすと

残穢 住んではいけない部屋の鉄男フーテンの3Dあーてすとのレビュー・感想・評価

3.6
怪談作家と情報提供者を中心に広がるミステリーを紐解く過程がおもしろい。

登場人物や関係する出来事が多く、ちゃんと理解、整理しながら見ようと思うと難しいかも知れないが、瞬間瞬間であー、それか! と思い出すので見終わった後の満足感に悪影響を与えることはない。

色味を過度にし過ぎる映画が好きだけど、この作品においては絶妙なナチュラルさがリアルな湿気を醸し出していて大正解。
フェイクドキュメンタリーまでは行かない。ちゃんと演出意図を感じる絵になってるけど、リアルな生あたたかさが、良い。
懐中電灯がと人肌が若干暖色で手前の襖が青緑寄りの色のシーンとか絶妙にかっこよかった。

----------余談----------
7年前劇場で見たときは原作が好きなのが悪影響して、こうしてしまったかー!
答え絞り過ぎて日常に染み込むあの怖さが薄れてる! 色々見え過ぎ! とか思ってしまってた。

が、原作の記憶が薄まった今改めて見ると、ちょうどいい塩梅の落としどころかも知れない。
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ここ数年特にだと思うけど、実話怪談をしている方の情報発信が活発で、取材してその内容をメディアやイベントで披露するという流れを(少なくとも私は)目にすることが多く、その裏側のようなイメージをこの作品から少し感じられた。
もちろんもっと前からその界隈の作家先生方はそういう事をしてたんだと思うし、この作品のモチーフはそこからだろうけど。
中山市朗先生とか作中人物のモデルにもなってる平山夢明先生とかね。

正直冒頭から出てくる黒い影をはじめ、ガッツリ描写される存在のクオリティはそないによくない。
ギリ目を瞑れるレベルではある。
床に干渉して動いてるけど、モーションちょっと設置感ないよね。とか思わなければ。
あと、回想シーンのノイズが激しいわりにCG入れる前にノイズ入れた? というチグハグ感をかんじたカットがあったり気にはなる。

2016年当時劇場にて鑑賞、
今回は松原タニシさんの同時視聴企画にて(ウォッチパーティではなく同時ポチで)prime videoで鑑賞。